2021年08月25日
言葉による指導
指導者の言葉としては曖昧な抽象的な表現よりも理論的かつ論理的な説明が基本的には大切になる。それは指導者と選手との間の共通言語になるからだ。感覚的な感じ方はそれぞれ捉え方が違うため、両者の間にズレが生じてしまう危険性がある。しかし状況によっては必ずしもそれが当てはまらないこともある。それがスランプに深く陥ったような場合になる。そもそも、スランプは本来的には自然にできていた動きが疲労などにより、自分の感覚イメージと実際の動作にズレが生じることから起こるケースが多い。「自分ではこう動いているはずなのに実際の動きは違っている。何故なんだ?」という疑問を持ち考え過ぎてしまうことで、選手は動きの色々な部分を修正していこうとする。すると本来は自動化された動きだったものが手動化され全体の動きがぎこちなくなっていくのだ。このようなケースで指導者が動きに対して細かに理論的に話してしまうと選手はさらにあちこちを気にするようになっていってしまう。このようなケースでは指導者はあまり選手に考えさせ過ぎないようにすることが大切になる。そういう時にこそシンプルで抽象的な表現が役に立つのだ。余計なことを考えずに本人がプレーできる言葉。細かいことに悩まずにその方向に向かっていくことで自分のプレーを取り戻せることもあるのだ。