生活が不規則になったり、日常生活で過度なストレスを受けたりしていくと、何となく心身の不調を感じてきます。昨今はこのような方が非常に増加傾向にあります。その原因の大きな要因として考えられるのが自律神経の乱れです。そもそも自律神経は、交感神経と副交感神経という2つの神経から成り立っています。交感神経は、活動しているときや緊張状態のときに優位になり、副交感神経は休息しているときやリラックス状態のときに優位になります。これらのバランスが乱れ、どちらか一方だけが優位な状態が長く続くと、自律神経が乱れ、心身の不調が生じるのです。そうなるとすぐに疲れやすくなったり、集中力が欠如したり、すぐにイライラするなどの症状が表れ、何をするにも無気力になっていきます。そうすると、何もはかどらなくなり、それを他人に指摘されさらにストレスを抱えるという悪循環になっていきます。自律神経をコントロールするに一番効果的なのが呼吸法なのです。ふだん無意識に息をしていますが、現代人はどうしても早くて浅い呼吸になってしまっています。そんな呼吸を意識的にコントロールすると、交感神経と副交感神経のバランスをとることが可能になるのです。その一つである呼吸法は丹田腹式呼吸法です。方法は次の通りです。丹田と呼ばれる場所はヘソの下三センチくらいの場所にあります。まずは軽く目を閉じて、椅子や床に座り、ゆっくり4つ数えながら鼻から息を吸い丹田を固くしていきましょう。そしてゆっくり3つ数えながら息を止めます。この際に丹田にしっかり力を入れておきます。そしてゆっくり8つ数えながら吐くと同時に下腹部をへこませながら息をすべて吐き切ります。鼻から息を吸い、お腹が膨れるくらいまで吸いましょう。胸は膨らませずにに丹田をふくらませることを意識するのです。これを寝る前と朝起きての一日二回はそれぞれ五回くらい繰り返していきましょう。そして日中はこの丹田腹式呼吸法は難しいと思います。しかしお話している通り、現代人は日常生活を浅くて早い呼吸を繰り返していますので、日中も意識して一時間おきくらいに深くてゆっくりとした深呼吸を3〜5回くらいすると良いでしょう。