僕の元から「卒業」したプロ野球選手が相談があると言うことで久しぶりに会いました。昨シーズンの活躍に僕も安心していますし、今回も相談というよりは顔を見せに来てくれた感じでした。
僕はブログでよく「心を育てる」という書き方をしますが、より正確に言うなら心を育てるのはクライアント自身であり、僕は育てるためのお手伝いというか、サポートをする役割です。これはお医者さんも同じだと思いますが、病気を治すのはお医者さんではなく、やはり患者さん自身なんですよね。免疫力を高めるのは自分自身でしかないですから。さらには学校の先生もそうですよね。生徒が自身で学習意欲を高めて学ぶしかないんですよね。先生は学びをサポートする。
こうして考えていくと、人間は自分が自分を何とかしていくしかないんですよね。自分以外の人はあくまでも、その手伝いやサポートしかできないのです。いくら、周りが育てようとしたり、治そうとしたり、教えようとしたりしても、本人にその気がなければ、やはり難しいものなのです。しかし自分が何とかしなくてはという強い気持ちを持つと、サポート側の人間との相互作用によってグングン力をつけていきます。
自立・自律の言葉が示す通り、自力で立ち、自らを律することが何よりも大切です。選手であれ、患者であれ、生徒であれ、他のどんな立場であれ、人が自分を何とかしてくれるんだ、と考えている限りは本当は何ともならないのです。そこを気付いてもらうようにするのも僕達の大切な仕事なんだと思います。
僕は選手には早く僕から「卒業」するように伝えます。その瞬間から選手は本当の意味で自立・自律していけるからです。もちろん、その後も人間同士の深い付き合いはあるし、困った時にはいつでもサポートはしますが、その段階まで来ると選手は自分の中にしっかりと自分の答えを持っているものです。初めて僕の元へ訪ねてきた時の心の弱っていた姿を思い出すと、逞しくなった今の姿に深い感慨が生まれます。何か「育ってくれてありがとう」という気持ちです。
2007年03月24日
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