2020年08月08日

最後の贈り物

最後の5球ノック。野球をしていれば、ノックなんて数え切れないくらい受けている。しかし、引退する際に受ける最後のノックは選手によっては本気で打球を追いかける最後の機会かもしれない。監督から受ける最後の挨拶。これまで、叱られたりしながらノックを受けたり、捕れなくて悩んだり苦しんだりもしてきただろう。でも、最後のノックはそうした全てのものから解放されて監督も選手も本気でありながら自然に笑顔になれる。きっと監督の目には一年生で入部してきた当初の未熟な選手の成長した姿を感慨深い思いで見つめているのだろう。選手はここに来るまでの長いようで早かった日々が走馬灯のように駆け巡ることだろう。そして、厳しくも温かく指導してもらった監督への感謝と。ノックを通しての監督と選手だけの静かな時間。周りの盛り上げる掛け声に包まれながらも、そこには二人にしか分からない年月が凝縮されている。最後に選手も監督も帽子を取って挨拶。その瞬間でもう二度と戻れない部活動を卒業する。
最後を想定していれば日々の当たり前もかけがえのないものに感じるのだろうが、人間はこれがなかなか難しい……ついつい目の前の苦しさや辛さに支配されてしまいがちだ。悩んだり迷ったり、時には嫌になったり。でも、そんな本気の情熱的な日々があったからこそ、最後にこのような素晴らしい時間が持てるのだろう。ノックの打球の一球一球から監督からのメッセージを受け止めることができるのだろう。そしてそれが心に刻まれていくのだろう。監督からの最後の贈り物。
posted by Takahata at 00:11| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
様々な感情が入り込む中で、最後に出来ることは、必死にボールを取り、挨拶する。『最後』となると特別感を抱かざるを得ない。監督も選手もお疲れ様と伝えたい。
Posted by スポG at 2020年08月11日 20:41
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